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2004年09月05日

[読書] 悪魔のハンマー

以前に読んだ本だが、書店で見つけて「悪魔のハンマー」を衝動買いした。 記憶どおりの面白さだった。

あらすじ

以下が、おおまかなあらすじになる。

  1. 彗星が発見される
  2. 「彗星が衝突するかも」という懸念がゆっくりと高まる中での、さまざまな人々の日常生活の描写
  3. 彗星の衝突と文明の崩壊
  4. 彗星衝突後の苦難の中、さまざまな人々がある牧場(砦)に辿り着く
  5. 砦内での日常と生き残るための努力
  6. 狂信者の軍隊との戦いと勝利

郵便配達員

読んでいる間ずっと、「文明が崩壊したら俺は役立たずだなぁ」という思いが離れなかった。主要人物の中で、俺にもできる役割は、郵便配達のハリーだけだ。

郵便配達員のハリーは、その制服がもたらす「情報伝達員としての中立性」というイメージから、砦の中で一定の立場を確保すると共に、敵に捕まっても解放されたりする。

米国では、郵便配達に対して、人々の役に立つ政府の象徴として、特別な思い入れがあるのかも知れない。ポストマンの前半でもそれを感じた。日本でも、郵政民営化の論議の中で同じような感じを抱くことがある。

宗教

宗教熱は、彗星衝突の懸念の高まりとともに盛り上がる。「宗教教育は受けたが、現在は積極的には信じていない」という層が米国の多数派で、何かあると多くの人の宗教感情が表に噴き出すところが、日本とは違う。

宗教が出てくると違和感を感じることが多いのだが、この本ではそれ程感じなかった。いや、以前に読んだ時はもっと違和感があった記憶がある。ここ10年程のさまざまな事件で、俺も宗教慣れしてきたのかも知れない。

原子力発電所

この作品が発表されたのは1977年だが、原子力発電所に対する扱いは非常に好意的だ。クリーンなエネルギーであること、安全性は火力発電と比べて同等であることが強調され、原子力発電所を守る戦いへと進むことが物語りの最後を飾る。

原子力発電所の有用性には頷けるところが多いが、俺は、人には原子力発電所を上手く運営する能力が欠けていると思う。なぜなら、人間は「慣れる」からだ。俺が大学でX線を扱っていた時も、X線に慣れてきて、だんだん怖くなくなり適当な扱いをするようになった

火が燃えている火力発電や、ダムに水をためる水力発電は理解し易い。しかし目に見えない原子力は直感的に理解し辛く、目に見えないことからだんだん危険に思えなくなってくる。そして、原子力発電所の作業員は原子力を日常的に扱う内に、放射性物質をバケツでかき混ぜるような馬鹿なことをし始める。

投稿者 かつ : 2004年09月05日 15:03

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