2004年10月17日
[読書] 北方三国志
「武王の門」「楠木正成」と、北方謙三の歴史物が面白い。今回は、一気に全巻購入し、三国志を読んで見た。
俺と三国志
中学生の時に吉川三国志を読み、何回も再読した。浪漫的な劉備、関羽、張飛の放浪期、赤壁の戦いから入蜀、次々と死に行く三人、孔明の孤独な戦いと死に感動した。敵役の曹操も好きだった。
その後、正史も読んだし、陳舜臣の三国志も読んだ。変わったところでは、蜀が勝つ反三国志(周大荒著)なんかも読んだ。
とにかく、三国志が大好きだった。粗筋や登場人物も、ほぼ暗記している。
通常とは異なった描かれ方をしている三人
北方三国志は、三国志演義を北方謙三が自分なりの視点で書いたものだ。そう、例によって一言で言えばハードボイルド版三国志である。
ハードボイルドであること以外の特徴としては、通常とは異なった描かれ方をしている何人かが挙げられる。呂布、張飛、馬超の三人だ。
張飛は心が優しく、関羽のあせりを見抜くなど、対人関係では思慮深いところがある。それでいて、三人兄弟としての役割分担から、わざと粗暴に振舞う。父性を知らず、戦いだけに誇りを持って生きる呂布、ニヒルでハードボイルドな馬超など、この三人は魅力的に描かれる。
馬へのこだわり
馬へのこだわりも、本書の特徴だ。そもそも劉備、関羽、張飛は馬の輸送で知り合う。軍の強化のために馬の数を揃えることが多く語られ、戦闘場面の描写では騎馬隊の運用に重点が置かれる。
呂布の恐るべき騎馬隊、そして呂布と赤兎馬の交流は、強い印象を残す。老いた赤兎馬が鳥丸の牧場で仔を成し、その内の一頭に関羽が乗ることになる。確かに、呂布と関羽が同じ赤兎馬に乗っているとすると、赤兎馬は歳をとりすぎているが、これも作者の馬へのこだわりの一つだ。
北方謙三の巧さ
放浪を続ける劉備、関羽、張飛でタメを作り、登場人物が舞台から去るところで感動を生み、最後に孔明が盛り上げて終わるのが三国志だが、ハードボイルドに男の滅びを描かせたら、北方謙三の右に出る者はいない。
例えば劉備、関羽、張飛が死んだ後、趙雲と孔明が夜道で短く語りあう場面など、枚挙に暇がない。
読後の感想
確かに楽しめたが、それ程ではなかった。ストーリーを完全に覚えているせいかも知れないが、「若い頃に読んだものの方が感動を生む」と言うのが一番の理由だと思う。
投稿者 かつ : 2004年10月17日 02:09
この記事のトラックバックURL
トラックバック一覧 (2件)
-
【人間の器】を考える 【教科書:三国志】【参考書:NHK人形劇】 from 堀米毅の起業のプロセス・起業のスキル【ビー・テクノロジー】
確かな事は社長の器以上には会社は成長しないと言う事である。つまり、会社を成長させたければ、社長が成長しなければならない。そして、器を大きくしなければならない。私...
トラックバック時刻 : 2004年11月15日 15:14
-
北方謙三『三国志』 from 日々のことわり
北方版『三国志』、この作者の歴史物はその文体が簡潔で戦闘場面を描くことに優れ秀逸なこと、登場人物にステレオタイプの悪人が登場せず、歴史上の悪人もひとりの人間とし...
トラックバック時刻 : 2007年04月13日 08:40
コメント一覧 (2件)
新規にコメントする
| 年間カレンダー | |||||||||||||
| 2007 年 |
|
||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2006 年 |
|
||||||||||||
| 2005 年 |
|
||||||||||||
| 2004 年 |
|
||||||||||||
| 2003 年 |
|
||||||||||||
| 2002 年 |
|
||||||||||||
| 2001 年 |
|
||||||||||||
| 2004年10月 | ||||||
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | |||||
| 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
| 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
| 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
| 31 | ||||||